「……え、今鼻血出てました?」
「出とったヨ?!ちょっ、えるちゃんに血流させたら後方保護者面しとる連中にやいのやいの言われかネんからやめて?!っちゅーか、なんで鼻血出とるン?!」
「……えーっと、あれですね。貧血です」
「えるちゃんこんなに……、いや細っこい体はしとうけど、でもピンピンしとんノに貧血なん?!そんナん世界のバグやろ!!!!」
殺しても死なんような子なのに!と、わいわい騒ぎ立てる睿霸は、結構大袈裟だと思う。
鼻血如きでこんなに心配できるなら、さっきわたしに首を踏まれていたアレの方を心配するべきでは……?
というか、後方保護者面してる連中って誰のことだろう。
「……あの、睿霸のブレザーが汚れてしまうので手を離してもらっても、」
「んなもん洗えバ落ちるもんなんやけ今気にせんでええ!!それよか、えるちゃんハンカチとかティッシュ持っとラんの?!あの側近くんならひとつやふたつ持たセとる気するけど!!」
「え?……あ、どちらも鞄の中に入ってますね」
「持っとル意味!!!!!!」



