うそつきな唇に、キス





「……なんだ、まだ何かある、」

「今の言葉、どういう意味ですか?」




頭は冴えている。

自分でも引くほど、なぜか頭の中はすっきりしていて、目の前にいる人物が次に何を言うのか、大体の予想がついた。




「……は?それは、一体、」




わたしが問うた言葉の意味がわからないとでも言いたげに、彼は眉間に皺を寄せて。


その姿に、特別何かの意味を持って発したわけではないのだと、よくわかった。

……とても、よく、理解できた、のに。




「あれ、理解できませんでしたか?申し訳ありません。ではわかりやすいように言い直しますね」




わたしの他意のない、けれど確かに彼らを煽る言葉を選べば、思った通りまた4人の眉が吊り上がった、けれど。


咄嗟に口を割って出た言葉とともに、4つのうちのひとつの顔が、唐突に、ゆがんで。





「─────二度言わせるな。一体、先ほどの言葉を、どういった意図で吐いた?」




足元で、めぎゃ、と何かが軋む音が、響いた。