一瞬心臓が不整脈のように脈打っただけで、どこにも異常をきたさない。
否、きたせない。
それが彼にも伝わったのか、ぎしり、と奥歯を砕く勢いの歯軋りが聞こえたと同時。
「……っ、あの!!!誤解!だから!!」
「……えみり?」
話の渦中の人物でありながら、今までその輪に参加させてもらえなかった女の子が、叫んだ。
「本当に、この方は絡んできてた子達から私を助けてくれただけなの!たぶん、駆け込んで行ったっていうその子達の方が私を昼休み開始直後にここに呼び出した人たちだよ。みんなして、なんで当事者である私に事の真偽も確かめずに、寄ってたかって、二度も私を助けてくれた方に詰め寄ってるの?!」
まるで、私怒ってます!と言いたげな口調で叫び散らしたその子は、残念ながら怒りを表している割に、あまり怖くない。
……それなのに、銀髪の彼と、他3名は揃ってしゅんと項垂れて。
「……すま、」
ん、あるいは、なかった、と続くはずだった銀髪の彼の言葉は。
「……ん?少し待ってください」
生徒会役員の眼鏡の彼に、遮られた。



