表と裏が向かい合い、白が最も黒に近づく様が渡り廊下からよく見える中庭にて、その声は響いていた。
「サクラバ様が目をかけている女性というから、一体どんな人かと思えば……、茨原様のご温情で生徒会に参加させてもらっている方だとは思いませんでしたわ」
「よくもまあそんな図々しくサクラバ様の隣にいられるものね」
「しかもスズハラ様やチザキ様とも仲がよろしいようで。あなたは節操という言葉をご存知ないのかしら?」
陰湿、あるいは悪質と言えばいいのだろうか。
もしくは、最も妥当性を帯びた罵倒か。
どちらに比があるのか現時点では断言できない。だってわたしは、その事実となる根拠も何も見ていないのだから。
ただ事実としてあるのは、今わたしの視線の先で、つい先日拐かされそうになっていた白服の女子生徒を追い込むように3人の同じく白服の女子生徒が囲っているということだけ。
「……………あの人って、見かける度に絡まれてる気がします」
「そういう星の下に生まれたんトちゃう?ホら、えるちゃんはよ行こーや」
睿霸は彼女に微塵も興味はないようで、一瞥もやることなくその場を後にしようとしていた、のだけど。



