天然。以前琴にも言われたことがある言葉。
天然水とかに使われる意味ではないことはわかるけれど、人の性格に使う場合の意味は、あまりよくわかっていないのが正直なところで。
「天然ってどういう意味ですか?」
もう直球に聞いてみることにした。
そんなわたしに、睿霸はどうしてか苦笑いを浮かべていて。そういうところやで、と雨粒のように静かな音が微かに聞こえた。
「そやナあ。皮肉や嫌味が通用せん人間ノこと、やないか?」
「あー………、確かに、そうですね」
「こういウとこは認めるんや」
けらけらと肩を揺らして笑う睿霸は、いつも通り。
……先日、傘をわたしに傾けてくれていた睿霸は、もうどこにもいない。
「……わたし、嫌味や皮肉を言われても、それとわからないので。ある意味空気を読めないタイプなんですよ」
「えるちゃん、正論パンチで嫌味も皮肉も物理的にぶっ飛バしそうやしな……」
「正論パンチって物理的な攻撃力あるものでしたっけ?」
なんて、中身があるようなないような、適当な会話の応酬をしていた時。
「─────あなた、何様のつもりなのかしら?」



