うそつきな唇に、キス







「────オかえり、えるちゃん」

「…………、なんで睿霸がここにいるんですか?」




白棟と黒棟が繋がる渡り廊下。

その白棟の出入り口である場所に、先ほど廊下で人目も憚らず大きく手を振っていた睿霸が、今度はわたしに小さく手を振った。




「え、迎え来ちゃあかんかっタ?」

「………わたし、迷子にでもなると思われてるんですか?」




質問に質問で、それも呆れを滲ませて睿霸を見やると、睿霸はなぜか可笑しそうに笑いながら首を振る。




「ちゃウよ。ただ、こっちの連中がえるちゃんにいらんちょっかいかケとらんか、ちょい心配でなあ」

「……わたし、そんなにひ弱な人間に見えます?」

「いやソういう物理的なちょっかいやなくて」




そもそもあっちでもえるちゃんに物理的なちょっかいかけられる奴おらんやろ……、と何故かげんなりした顔で言われてしまった。




「……まあ、メンタル面でもえるちゃん変に天然はいっとルから、ある意味ばり強い気ぃはしとったけど」

「それ褒めてます?」

「ばちばちに褒メとるよ」