うそつきな唇に、キス




ぺこり、とお辞儀をすれば、銀髪総長さんはどこか不思議そうに、ん……?と首を傾げた。



「………お前は、丽宸会の者ではないのか?」

「はい、違います。わたしがあの時睿霸様とご一緒していたのは、わたしが彼の友人だったからです」



最低限の情報のみを開示し、それ以外について聞かれないよう、話をぴしゃりと終わらせた。


いつ、どこから若サマが不調だったことが漏れるかわからないし、それがどういった弱味として受け取られるかわからないから。

わたしが、下手なことをしていいわけがない。



「そうか。……で、側近はなぜここに?」

「こちらの生徒会長様へ書類をお渡ししに参ったのですが、生憎わたしは生徒会長様を知らず……、」

「生徒会長……、」



その人は、なぜか少し侮蔑の意味を含んだ視線を一瞬向け、一度教室の中をぐるりと見回した。



「……いないな。先程放送で、生徒会室に役員全員が招集されていたから、おそらく生徒会室にいるんだろ」

「生徒会室、ですか……。すみませんが、その教室がどこにあるかお教え願えないでしょうか」




わたしの矢継ぎ早の質問に、些か煩わしそうにしながらも、先日の一件があるためか、親切に教えてくれた。