うそつきな唇に、キス






「……さて。早速、本題に入らせてもらう」



空いた食器は下げられ、包帯も新しく巻かれて、整った場。

向かいに座っている若サマは、ティーカップに注がれたコーヒーを優美に啜っている。


……この人、何をしても絵になるんだよなあ。



「まず、質問はあるか?」

「あ、えと……、」



ひたり、と右耳の裏を触って、お風呂にはいった時からずっと気になっていたことを口にした。



「いつの間にかわたしに入れられていた、タトゥーのことが気になります」



それは、お風呂でガーゼをはずして初めて気づいたこと。

今まではなかったであろうネイビー色の鍵の形をしたタトゥーが、忽然と右耳の裏に出現していたのだ。それも、モチーフは若サマとお揃いで。



「それは、おれに帰属している者の証のようなものだ。……琴吹、すこしこちらに来い」

「あ?なんだよ」

「左腕を見せろ」