うそつきな唇に、キス





手を振り返したあとで、頭上に掲げられているプレートに書かれていた2-3、という文字を目で追い、ゆっくりと扉を開けた。


談笑していた声が、シン……、と波紋を生む間もなく停止し、そして、バッと一斉に視線を床へと向けるものだから、そんなに興味あるものが床にあるのかな……?と疑いそうになってしまう。

ここに来るまで似たような反応をされたからさすがに耐えたけれど、最初にされた時は本当に床を見てしまった。


……これ、3人には内緒にしておこう。

特に睿霸には爆笑されてしまう気がするから。


えっと、それよりも茨原さん、茨原さん……、って。

わたし、よく考えなくてもその人の顔と、ましてや性別までわからないんだよ、ね……。



どうしよう、誰かに聞くとしてもこの状態ではまともに会話できるかどうかも怪しいし……。

うむむ、と入り口で思わぬたたらを踏んでいたら。



「……あ、」

「……?」



なんだか、背後から聞き覚えのある声が聞こえた。