─────夜。漆黒さえ呑み込まんとする円卓の場に、彼らはいた。
「いやあ、ホんまえるちゃん、優秀すぎやて。ナんなんあの子。手癖悪いし口もタま〜に悪うなるし、けど笑ったら可愛いとか反則やんか。なあ、若クん?」
「……おい。その胡散臭い口調をやめろ。えるの前でもないのだから、取り繕わなくていいだろう」
未だ空席は五つある。着席しているのは、示し合わせたように随分と速い時間に来た左目に傷のようなタトゥーを宿した人間と、ひどく冷たい闇を纏った目を持つ人間だけだ。
「え〜、モうこれがデフォになっとるんやけどなあ」
「……えると出会う以前はひどい口調だったが?」
「あははハはは!……ほんっと、それ言われると耳が痛くてしょーがねえなあ?」
左目にタトゥーを宿した男は、これまた底意地が悪そうに片眉を吊り上げた。
「はーあ。こんなクソみたいな会合がなければ愛しのえるチャンに会いに行けたのに」
「来るな」
「……まあ、お巫山戯はこのくらいにして。マジであの子、ボクにくれよ。別に悪いようにはしねえからさあ」
「……あれほど優秀な人材を、ほいほいお前にくれてやると思うか?」
「思わねえな」



