うそつきな唇に、キス




わたしが唐突に取り出したUSBメモリを見て、睿霸は不思議そうに小首を傾げながら受け取った。



「あの男性と一緒にいた情報屋の子から抜き取ったデータです。予備か、はたまたプライベート用かの区別はつかなかったので、あまりたいした物は入っていないかもしれませんが」

「えっ、僕ソこまで頼んどったっけ?」

「頼まれてはいないですけど……。できるな、と思ったのと、あと、サービス精神ですかね」



わたしのサービス精神という言葉に、睿霸はきょとんと目を丸くさせたのち、急にけらけら笑い出した。まるで、似合わないとでも言いたげに。



「ふ、ははははッっ!!!初めてやわあ、サービス精神なんちゅー言葉使わレたんは」

「友達ですからね。それくらいのサービスはしますよ」



その言葉に、睿霸はなぜかぴたりと笑うのをやめた。

まるで、わたしに傾けられている傘からはみ出した睿霸の肩に降り頻る雨が、笑顔を冷やしてしまったかのように。



「……ほんま、僕、ええ友達持ったワ」