うそつきな唇に、キス





何度もわたしとお札の間で視線を右往左往させていたし、びくびくしながら受け取ったから。

情報屋になって日が浅いか、もしくはもともとこういうことに慣れていない子なのか。


……まあ、もう会うこともないだろうから、気にしても仕方がないか。


この子がそう(・・)見えるフリをしているだけで、実はそう(・・)ではないことも。




「では、わたしはこれで。本当に、申し訳ありませんでした」

「あ、や、」



ぺこり、とお辞儀をしてその場を去ろうとしたのだけけれど。



「その、」

「……?」

「気にしないで、いい、と思います」



気遣うような言葉に、思わず足を止めて。

ゆっくりと振り返った。



「……あなたも。あなたも、気に病まないでくださいね」



それは、迷惑料のことか。

はたまた、この子の知るところではないことか。


どちらにしろ、この子にはもう知る術などないだろう。


もう一度ぺこりと頭を下げて、睿霸に色いい報告をするために、……若サマのもとに帰るために、足早に帰路へ着いた。