うそつきな唇に、キス





なお食い下がるわたしを見て、その情報屋の子は困ったように俯いたのち、実は、と恐る恐る口を開いた。

あと、2秒。



「自分、下戸、でして……」

「なるほど。すみません、さっきからお酒ばかり勧めてしまって」

「や、自分が先に言わなかったのが、わるい、ので」

「……では、ささやかですが、こちら迷惑料ということでお受け取りください」



……やっと、ゼロ。


お財布から取り出した新たな一万円札を置いたと同時、それに目を取られている情報屋の子のスマホからUSBメモリを抜き取った。


よし。これで本当に、お仕事完了。


お財布をなおすと同時にUSBメモリをしまって情報屋の子に向き直ると、その子は受け取っていいものかどうか悩んだ様子を見せたものの、恐々と迷惑料を自分の方に引き寄せた。




「……では、こちらは、頂戴します」

「はい」



ここで断れば相手に失礼なことが、たぶん、わかってるんだろうなあ。