うそつきな唇に、キス





「あと探すなら、このフロアと隣のバー、それに休憩スペースかな」



休憩スペースはこの中央エリアの右奥で、バーは左奥。

フロアの右手左手にはそれぞれお手洗いが配置されている。


……まあでも、休憩スペースはないかな。さっき従業員さんに聞いてみたら、休憩スペースの中は一応個室がいくつか並べられているらしいけど、防犯上の理由で壁ではなく間仕切りにしてあると言っていたし。

たぶん、悲鳴があがればすぐ駆けつけられるように、だろうから、防音性はないと思っても構わないだろう。



例の人は、どうやらここで情報屋さんと落ち合う予定らしいから、人がたくさんいる場所か、人が誰もいない場所に潜伏していると考えたほうが、まだいい。



「……とりあえず、該当者がいないかザッと探してみようかな」



耳から脳を掻き乱すような音楽と、行き合う人の話し声が妙なミスマッチを起こしながら、隅に設置されたソファにゆっくりと腰掛けた。