うそつきな唇に、キス





「……なンや」

「お、お話中失礼します。……あと30秒ほどで、カジノ正面玄関口に到着するとのことです」




麗孝さんの言葉がこの空間に響き渡ると同じくして、車が減速していくのがわかった。



「……ええええ、まダえるちゃんに最後の質問しとらんのに……。タイミング悪すギやろ……」

「では、最終質問は後日ですかね」

「嫌ヤ〜!!!折角やからこの際一気に質問したかッた!!」



あと数十秒もしないうちに問題のカジノ前に停車するというのに、……こんなに締まらない空気で、いいのだろうか。


……きらいでは、ないけれど。



なあんてことを思っていた矢先のこと、だった。



「なあなあ、えルちゃん」

「はい、なんですか?」



「────えルちゃん、人、ころせる?」




そんな物騒すぎる質問を投げかけられて、持ち物の最終確認をしていたにも拘らず、思わず手を止めて間抜けな声を出しかけた。



「……あの、それって聞くまでもないのでは?」

「いちお、聞いとキたいなあって思うてな。ほんで、そこんとこ、ドうなん?」



……いまだ、疑われているらしい。

わたしが、本当に一般人ではないのかどうかを。