うそつきな唇に、キス





「………エ、」



この時ほど、睿霸の瞳が大きく見開かれた瞬間を、わたしは知らない。



「い、いやいやいやいヤいや、それは絶対嘘やろ!ヒットマンやないんやったらえるちゃんのそのカンストしとる能力が説明ツかんて!」

「いやまあそれは……、はは、」

「あ、わかっタ!ほんなら元殺シ屋!ソやろ?!」



……睿霸、どれだけわたしのことを物騒な人間にすれば気が済むんだろう。それもかなり必死に。



「だから、違うってさっきから言ってるじゃないですか……」

「なんデなん?!」

「いや、なぜと言われましても……。活動していた時期がそもそもないので……」

「ほんなら活動した方ガええて!才能メちゃあるから!」



これは……褒められて、いるのか、な?若サマたちよりはわかりやすいけど、素直に喜んでいいものか……。

貶されてる感じはしないけど……。



「じゃ、ジゃあ、」



その時、目的地であるカジノが近づいている証拠か、車窓からやたら高級車が路肩に止まっているのが見えたと同時。

おそらく防音仕様の分厚い間仕切りがトントン、と二度軽くノックされた。