うそつきな唇に、キス





きっと、他者が聞けば最低な言葉にでも聞こえるのだと思う。

……けれど。



「……フ〜ん、へえ、そーなんや」

「……なんだか機嫌が良さそうですね、睿霸」

「えるチゃんからそう見えるんなら、そうなんやないかな?」



頬杖をつきながらわたしと目線を合わせている睿霸の目元と口元は、いつもより、ゆるんでいるように見えた。

……ちがうのかな。


わたしに出せる、精一杯の正解を選んだのだけど。

そんなわたしの疑問など気にも留めていないのか、もとより気づいてすらいないのか。


先程までの態度と比べても、明らかに上機嫌になった睿霸は、るんるんとぼやいた。



「ホな、次々!次は……んー、聞きタいことは山ほどあるけど、あと3回やし、やっぱこれやな」



そう言って、一拍置いたのち、睿霸は真っ直ぐわたしの瞳を射抜き、今までずっと疑問に思っていたのであろう言葉を、口にした。





















「えるちゃんは、────アルファやないヤろ?」




核心をついた簡潔明瞭な問いかけに、どう答えるべきか、しばし悩んで。


やがて……、にこり、と。

わらいながら、言った。




「はい、そうです。よくわかりましたね」