うそつきな唇に、キス





「……へア?」



わたしの言葉が予想外も予想外だったのか、睿霸の口からひどく間抜けな声が溢れ出した。



「……えーと、それってつマり、若くんが生きた心地せえへんっちゅーえるちゃんの感想かいな?」



余程混乱していたのか、睿霸の口から出たとは思えないような的外れなことを言っていた。

そんなにわたし、分かりにくいように言ったかな?



「違いますよ。わたしが、若サマといて生きた心地がしないんです」

「そっかあ、なるほどなるほど、……………さすガにこれは僕からも話せんわ、ウン」



なんだか苦笑の滲んだ、自分を無理矢理納得させるような睿霸の声が、心底不思議でたまらなかった。

……なんでそんな風な声、出すんだろ。



「なんや、若くんが急に不憫に思えてキたわ……。えるちゃん、若くんのこと僕らの中でいっちゃン好いとーんやないん?」



睿霸の疑問は、最もだと思う。

あと、睿霸は知らないだろうけど、わたしが3人の中でいちばん若サマのことを好ましく思っているのも嘘偽りない事実だから、余計に混乱するんだろう。