うそつきな唇に、キス





「あ、一応言っとクけど、今回は、」

「嘘はなし、ですよね。それくらいは言われなくてもわかりますよ、わたしも」



嘘まみれだった今までで、唯一この瞬間だけ、嘘をつくことは許されない。

……だからなのか、すこし、息がしにくくなった気がした。


何を聞かれるのか多少は予想がつくけれども、あの睿霸だしなあ。予想もきたる未来ではなく、ただの推測に成り下がってしまう。

……なんて警戒していたから、驚いた。



「ほんじゃ、時間モないしさくっといこか。1個メ。……えるちゃん、今回の若くん毒殺未遂の犯人、検討ツいとる?」

「え?……犯人、ですか?」



こんな質問をされるなんて、思ってなかったから。

……ちょっと、肩透かしをくらった気分。もしかしたら、出鼻を挫く狙いがあったのかもしれないけど。



「……そう、ですね。明確に誰か、はわかりませんが、大体の検討ならついてますよ」

「ホーん。……そいつ、捕マえんと?」



その時、睿霸の瞳が、なぜか可笑しげに煌めいた気がした。