うそつきな唇に、キス




カジノにつくまで、残り10分もない。

それなのに。



「なあ麗孝、ちょいお前、助手席移っテくれるか?ほんで、そこの間仕切りしメてや」

「……はい、かしこまりました」



睿霸はそうやって麗孝さんを前へと行かせ、運転席と後部座席の間仕切りをぴしゃりと閉めさせた。



「……何か、他の人に聞かせたくないお話でも?」

「ンー?そーゆーわケやないんやけど、えるちゃんは聞かれたないかと思ってなあ。……余計な世話やッた?」



そう意味深に微笑む睿霸は、読めなくて本当に困る。

何を話そうとしているのかあらかたの検討はつくものの、それも大体。的確に見破れはしないから、かなりタチが悪い。



「……時間もあまりないですし、本題をどうぞ話してください」

「あ、ヤっぱわかるんやね。お仕事やなくて、コれが今回の本題やっちゅーの」

「それくらいはわかりますよ」



睿霸が今日一日、わたしを見遣っては、変にそわそわしていたことなんて。