うそつきな唇に、キス





どうしてだか耳裏を引っ掻きたくなるような衝動にかられていた時、顔にかかっていた影が引いていった。



「睿霸さま、如何でしょうか」

「お、終ワったか。……うん、こレならもうえるちゃんやて誰もわからんやろ」

「……そんなに変わりました?」



お化粧という行為自体を舐めているわけてはないけれど、それでも骨格そのものを変えられるわけでもないから、一眼見れば大体わかってしまうと思うんだけど、な。



「えるちャんはわかっとらんなあ。こーユーのは第一印象が肝なんやて!雰囲気も何もかもちゃウ奴がいきなり目の前に現れたら、脳がバグって同一人物なんて早々導き出せへんよ。……特に、対面デ会うたことない奴はな」



意気揚々とそう言った睿霸は、極め付けにぱちーんと軽いウインクをしてみせた。

……でも、全然かっこよくできてない。ほとんど両目ウインクのようなもので、ちょっと不恰好なそれに、思わず笑ってしまう。



「わかりました。では、そう思っておくことにします」

「そやそや、存分に安心しイ。何せこノ僕が大絶賛しとるんやからね」

「睿霸の今の大絶賛はわかりやすくてありがたいです」