うそつきな唇に、キス





どこか含み笑いのようなものが混じっている気がするのは、きっと勘違いではないのだろう。

若サマのいい弱味……、否、揶揄い甲斐のあることでも見つけたつもりでいる感じの声だ、あれは。



「……はあ、わたしも気を抜きすぎましたかね」

「まあ、そんなん最初しかまとモに見てへんかったけなあ。気にセんのも当然や。っちゅーかそれ、消えるタイプのもんナんやな」

「……はい、」



迂闊だった。まさか、この消えかけたタトゥーを睿霸に見られることになろうとは。

そろそろ二週間だし、当たり前と言えば当たり前なのだけれど、それどころじゃなくて忘れていた。


ぴとり、と。背後から耳裏に貼り付けられたテープの感触に、少し背筋がぞわりと声をあげて。



「ン?ドしたと?……隠すの、やっパ嫌やったとか?」

「そんなことはないんですけど……」



ただ、それがあるのがもう日常と化してしまっていたから。

隠されると、それはそれですこし落ち着かないだけ。