無言の圧なんかしてたかなあ、と思いながら、ゆっくり目を閉じる。
肌に滑るブラシの感覚がひどく新鮮で、なんだかくすぐったく思いながら顔がむずむずするのに耐えていると。
「あ、そヤ。えるちゃん、あれも隠しとコか」
「え、あれですか?」
一瞬、なんのことだか本当にわからなかった。
だから、反応が遅れてしまって。
……もしこの場で言い訳をするならば、それは最初の1ヶ月間くらいしかまともに使用しなかったし、そもそもわたしが自ら使ったことなんてなかったから、なんてことが述べられるのだけれど。
この時ばっかりは言葉にならなかった。
「─────っ!」
さらり、と右耳にかけられた髪でようやく合点がいき、慌てて隠したけれど、目だけで振り返った睿霸の瞳は、丸く見開かれていた。
「えルちゃん、それ……」
「…………黙っていてもらえますか?」
髪を直しながら聞くと、睿霸が短く笑った気配がした、のち。
「ええヨ。けど、今回それを絶対隠スんが条件や」



