うそつきな唇に、キス





そう言って、睿霸はよっこらせとカーゴスペースから黒色のアタッシュケースを取り出した。



「これが一応捕獲道具一式やかラ、好きなもん持っていきや」

「わかりました」



中身を見てみると、USBメモリや手錠、麻酔針に毒薬、さらには睡眠スプレー諸々の一式が綺麗に揃っていた。

もちろん、拳銃やナイフなんかも。


……これ、やはり捕獲前提ではないのでは?



「……では、これをお借りします」



睿霸が中身について説明してくれたあと、一度中をぐるりと見回し、わたしは拳銃でもナイフでもなく、小さな小瓶型のものとUSBメモリを取り出して、クラッチバッグの中へと入れ込んだ。



「そんダけでええと?」

「はい。構いません」

「ほんなら、次はこの仕事が終わッた後の導線やな。これガ今から行くカジノの内部構造や。残念ながらこれは持って行かせられへんけ、ヨう頭の中に叩き込んどき」

「わかりました」



睿霸が手元のスマホでカジノの全体図と、逃走経路となる赤い導線が示された3Dマップを見せてくれた。

……あれ、でも、この導線は……。