うそつきな唇に、キス





……けれど、ここでわたしが場を取りなさなければ睿霸が暴走してしまう気がするから、早めに解散してもらおう。



「……もう夜も遅いですから、帰宅させるのはどうですか?」

「え、……マあ、えるちゃんがええんやったら異存はないけど」



……そう上辺では言いながらも、なんだか声音はすごく不満そうだった。


唇を尖らせて、わたしの決定にあからさまな不服を唱えたがっている。



「……自分ラの謝罪を、僕もえるちゃんも受け取る気はないけ、精々安心することやな。これに懲りたら、身の程を弁えた言動を善処セえよ、ガキ」



睿霸は、いまだ若干の憤りを混ぜた暴言を吐き捨てて、すたすた路地裏の出口へと向かっていく。

その背中を慌てて追いかけながら、ふと後ろを見やると。



……暴走族の男の子たちに心配されながら、中央にいる例の女の子が苦笑いしている光景が、月明かりに照らされていた。