うそつきな唇に、キス






「暴走族の木っ端連中は僕なんて気にもとメとらんかったのに、えるちゃんさては僕がどこにおるか気づいとったな?」

「あ、はい……って、暴走族?この子たちがですか?」

「そやデ。僕の管轄ででそれなりに有名な木っ端ドもや。……まあ、んなことより、ひとつ僕気に食ワんことがあるねん」



そう言って、けらけら笑っていた顔はどこへやら。

瞬時に空気が冷気を帯びて、いつもの睿霸からは一転。まさしく恐怖を体現した声音を喉の奥から絞り出した。



「お前ら、自分らの身内を助けてもろた分際で、嫌に目にツく顔しとるなあ?」



その、さっきまでの軽薄さがなくなり、酷薄な言葉を吐いた睿霸の声に、全員びくりと肩を揺らした。



「……それは、」

「ああ、皆まで言われんともワかっとるって。自分らに恩売るたメにこの子が仕掛けた自作自演や疑ってんやろ?賢いユえの憂いやわかっとるけど、……それは、相手を選ぶべきやなあ?」



後ろから抱きつかれたままだから、よくわからないけど。

彼らの怯えた表情から、わたしがよく見てきた睿霸の顔をしていないことは、容易に想像がついた。


これが、彼、中国でも名のあるマフィアに座する丽宸会の若長、喵睿霸の真の姿らしい。