うそつきな唇に、キス




その折、とりあえず死ぬなって言葉を毎回聞かされたりもして、わたし、死地にでも赴いてる兵隊か何かなのかと思うところだった。



「っちゅーか、えるちゃん僕に若くんのこと特に聞いてこンけど、実はめちゃ薄情なん?」



その、本当に理解していないような睿霸の声音に、思わずため息をついてしまう。

睿霸は本当に、わたしのことをなんだと思っているんだろ。



「……薄情なのは認めますけど、でも、睿霸はこんなところで下手なことをする人間ではないとも思っているので。何せ、若サマに隠れて自分の住所を書いたものを出会ったその日に渡すくらいですから」



そうジトッ、と。少しの不満を織り交ぜた目を睿霸に向けると、当人はぱちぱちと呆気に取られたように瞬きをしていた。



「……わたし、何か間違ったことを言いましたか?」

「え、あ、間違ったこと、は、言ってなイんやけど、……その、まさかつまんなそーな顔してるえるちゃんからそないな言葉が出るとは思わんくて……」

「え、……わたし、そんなにつまらなさそうな顔、してました?」



……そんなはず、ないと思うんだけどな。

人によって態度を変えている自覚はあるけれど、それでも露骨に変えているわけじゃない、と思う、のに。