うそつきな唇に、キス




「……え?」



服の裾が、ぎゅうっとものすごい力で握られた。


後ろを振り返ると、大きくて、真っ白なきれいな手が、なぜか、わたしの裾を、握りしめていて。



「……は?おい闇医者、若意識ないよな?」

「人が必死で繋いでやってんのに、おいはないわ〜。っつかそれ当たり前だから。低酸素状態から脱却しようともがいてる時に、意識あるわけないっしょ」



琴もわたしの異変に気づいて、若サマのそばに座っていた名前も知らない闇医者に引っ付いたら、パシッと軽く肩に置いた手を払い落とされていた。

……すごい嫌われよう。ふたり、過去に何かあったのかな。



「……ほンなら、所謂脊髄反射っちゅーこと?え、若クんこわあ……」

「それは残念ながら自分も同意です」

「ふたりともあんまり言ってると、起きた時若サマに拳骨くらいますよ」

「まさか。意識ねーんだぞ、今」



……けど、実際に腕動いてる、し。それも結構な強さで。