「……それで、喵さま。このまま大人しく帰る、というわけではないのでしょう?」
背後で何やら準備を始める彼らを一目見た琴は、今度は物怖じせず睿霸と向き合っていた。
そして、そんな警戒した目を向けられながら、睿霸はひどく愉快げに口元を歪めている。
「あったりまエやん。僕ガ無償で専門医を若くんとこにやるわけないやろ?そこまでの情は正直持ってへんシ」
「……はあ、わかりました。では、若が回復したら今回のことについて伝えますので、見返りを先にご所望いただけますと幸いです」
「ああ、そレはええで。やって、もう貰っとるからナあ?」
「……は?」
睿霸の言っている意味が伝わらなかったのか、琴が首を傾げた直後。
睿霸が半歩後ろにいたわたしの肩に手を回して、無理矢理隣に立たせると。
「えるちゃんとの取り引きで、この子、僕が貰ウことになったさかい」
「……………、は????」
琴の表情を抜け落ちさせる、言葉を吐いた。



