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「……はえー、若くんもだいぶ油断シたなあ」
「解毒は可能ですか?」
「ンー、えるちゃんからの前情報と変わらんけど、どないや?赦鶯」
赦鶯、と呼ばれた人は、いそいそと若サマのそばへと寄っていき、脈拍やら体内の酸素濃度など諸々を調べたあと、こそこそと睿霸になにやら耳打ちをしていた。
……あの人、男性ではある、と思うけど、なんというか、今まで見てきたどのタイプとも違うんだよなあ。
顔をはっきりと覚えさせないようにか、フードの紐をきゅっと絞って、長い襟で口元を隠している格好もそう思ってしまう一因には違いない、けれど、いちばんはやっぱり、全然こちら側のタイプには見えない人、所謂善人、の方に天秤が傾いている、と思ったから。
「……んっトなあ、こいつが言うには、もうちょい調べる時間くれって。それまデ延命処置は任せてもかまへんか言うとるけど」
「それはこちらでなんとかします」
「ほな、決まりヤ。赦鶯、こノ場は任せたで」
ぽん、と。身長が低い毒のスペシャリストの頭に睿霸が手を置くと、その人は飼い主に撫でくりまわされた犬みたいに喜んでいた、ように思う。



