うそつきな唇に、キス




咎める言葉、じゃ、なかった。

それに加えて、なぜか、琴に、言われるはずのない、四文字を、言われ、て。

………、どうして、そんなに、眉を下げて、わらって言える、の、だろうか。



「あ、いえ、あの、わたしの方こそ、本当にすみません。その、言う前に、一言いっておけば、とも、思ったのですが、……えっと、」

「あー、もう皆まで言わなくてもわかるから。時間が惜しかったのは俺にも理解できる。あと、俺に言ったら絶対却下するっつーのも。……いきなり怒鳴ってごめんな」



自分の頭をガシガシとかいた琴は、不意にぼんぽんと若サマよりも随分と手慣れたように、やわく頭を撫でてきて。

それだけで、なんだか胸の奥の方が、肺が、うまく機能してくれない感覚がした。



「……すみません、」

「俺もごめん。だから、これで謝罪祭りは終わりにするぞ。……すみません、若のほう、よろしくお願いしてもいいですか?」

「ええよ、っちゅーか、そのために僕ラここに来たんやけ。ひとまず、若くんを見せテくれへん?」

「わかりました。若の部屋はこちらです」



ぞろぞろ、家の中へとあがっていく集団を見つめながら、もう一度、たくさんの意味が煮詰まった言葉を吐いた。



「……ふたりとも、ほんとうに、すみません」