うそつきな唇に、キス




心の中で、そう決断したあとは早かった。


ポケットの中に隠していたふたつの針金で、かちゃかちゃ鍵穴をいじって、無理矢理開けた。


まだシャワーの音は続いてる。行くなら今しかない。



ガレージに入ったあと、すぐさま鍵をかけて、電気をつけた。

一瞬明滅して、再度明かりがついたあと、眼前に広がったのは、埃なんて一切被っていない三台の車。

バイクに、セダンに、バン。そのどれもが闇に溶け込む色とは正反対の様相をしている。



「ええっと、まずは扉を開けないと」



外に繋がる両開きの扉は幸い内鍵で、急いで開錠して全開にする。


あとは、車の鍵。確か、琴が緊急時用にすぐ出せるようにしてる、って言ってたから、たぶんガレージにあるはず。


ひとつの鍵穴を覗き込んで、壁にかけられていた3つの鍵から、おそらくこれだろうとアタリをつけて引っ掴む。

……ついでに、近くに無造作に置かれていた、かなり大きなヘルメットも。