うそつきな唇に、キス




「え、えるちゃン?なんで隠レたん?まさか褒メるのあかんやった?!?!」

「いや、あの、えっと……、」



ぴゃっと若サマの背中に逃げて、半分ほど顔を出しながら、視線をそらしそらし言った。



「……その、容姿を褒められるの、は、……はじめて、だったので。どう反応するのが正解なのか、分からず、……すみません、」

「………はッ?!?!そノ容姿で?!?!綺麗とも、整っとるとも、可愛ええとモ言われたことないっちゅーの?!」

「は、はい」


……そういえば、睿霸からは一度それに準ずるような言葉を聞いたことがある気がするけど、その時はほとんど流してしまったから、ノーカンにしておこう。



「……ほんなら、その分僕ガ言ったるわ。えるちゃんは、僕が今まで会ってきた女子の中でもいっちゃん可愛ええし、綺麗やヨ」

「……う、あ、りがとう、ございます、」



褒められ慣れていなくて。可愛いとか、綺麗とか、言われ慣れていなくて。

ぎゅうっと、若サマのブレザーを掴んでいる手に力が入っていたのに、気づくこともなく。