うそつきな唇に、キス





睿霸が驚き叫んだ言葉に、これ面白いエピソードだったんだ、と自分の認識を改めざるおえなくなった。



「睿霸の面白いの基準はわたしにはわかりかねます……。ただ声をかけられただけですよ?危うくトラブルも起こしかけましたし……」

「トラブルってどないなトラブルなン?!えるちゃん可愛らしイ容姿しとるからトラブル製造機なんは納得やなあとは思っとったけど!」



あの時のことを思い出して思わずため息をつくと、なぜか睿霸から少し納得がいかない言葉をかけられて、きょとりと目を丸くした。



「え、わたし、別に可愛くないですよ?」

「…………、はえア?」

「……えるお前、何言ってんだ」

「エッ」



睿霸と琴のふたりから呆れたような視線を向けられて、肩がびくっと跳ねた。



「えるちゃん、歩いたら10人中10人が振り返るような容姿しテんで」

「言ったことなかったか?可愛いって」

「う、え……?」



ふたりから、ふたりらしからぬ言葉をかけられて、自然と若サマの背後に隠れてしまった。