うそつきな唇に、キス






それから。本当に、これまでになかったほど充実した日々を過ごした。


3人で花火をしたり、誰がいちばん大きな砂の造形物を作れるか競争したり(無表情でしてる若サマがなんというかすごかった)、釣りをしたり、素潜りをしたり、はたまたキャンプファイヤーもどきをしたり。

初めてした経験がたくさんあって、連れてきてもらってよかったって、不覚にもそう思っていたのだけど……。




「────あの、若サマ、琴」

「ん?なんだ?」

「どうかしたか」

「……や、なんでそんなに落ち着いていられるのかなあって」

「そう言うえるも落ち着いてるじゃねえか」



3人ぴったり寄り添いあっているこの状況に、一周回って苦笑いが浮かんでしまう。



「いやまあ、なんというかド定番と言えなくもないですし……、リアルであるとすごく困るなっていうのはわかりましたけど。……あと、」



すぐ近くから聞こえて来るその音に、若サマと、彼を挟んだ向かい側にいる琴に、なんだかホッとしながら言った。





「ふたりといても、こんな────銃撃戦に巻き込まれることは今までなかったので、なんというか、ある意味安心してます」

「この状況で普通安心するか?!?!」