うそつきな唇に、キス




ふと、顔を上げた。

見上げると、なぜかわたしが入った時にはすでにトイレ前にいた男子の3人組に、囲まれてしまっていて。


……何のようだろう。こっち側の手合いの人間じゃ、なさそうだけど。あと、髪色が明るすぎて目がちかちかする。

3人とも恐らく大学生、それも格好や顔立ちを見るに2年生あたりが妥当なところだと思う。あまり好ましくない笑みを揃って浮かべているところを見るに、声かけが一度や二度とは考えにくいし、そもそも出待ちのような行為をしていたことを含めると……。

などなど。とりあえず考えているだけではどうにもならないので、一応声をかけてみた方がいい、かな。



「あの、何か?」

「いや、これから暇かな〜って思って」

「………、わたしが暇かどうか、あなた方に関係ないと思うのですが」

「あるある大あり!暇だったらきみをご飯に誘いたいから!オレらが!」

「…………なぜ???」



素で疑問だった。わたしを誘って、何かメリットが彼らにあるのだろうか。



「だってきみ、めっっっちゃ綺麗じゃん!こんな綺麗な子と一緒にご飯できたら、オレらもテンションあがるし嬉しいなって!」

「はあ……」



正直、見ず知らずの人に容姿を褒められても何も思えない。

わたしに声をかけてきた側も、自分の言葉があまり響いていないのがわかったのだろう。急いでぺらぺらわたしにとってはどうでもいい褒め言葉を列挙し始めた。


というか、これ、いま気づいたけれど、俗に言うナンパなのでは?