うそつきな唇に、キス




「え、あの、まさかここってそれなりに有名なブランドだったりします?」

「さあな」

「知らね」

「おふたりって実はファッションに少しも興味ないですよね??」



知ってたけど。なんとなくそうなんだろうなとは思ってたけど!


ぷるぷる震える手で、つけることはせずに若サマおすすめのリングを持っていると、ひょいと横から掻っ攫われてしまった。



「……サイズがちょうど良さそうなのは、右手の、ここだな」

「え、あの、若、」



一瞬、人前で若サマと呼んでいいのか迷ってしまって、口をつぐんだのがいけなかった。

するり、と迷うことなくはめられたリングに、なぜかはわわわわわ、と何かを期待しているような目で見守っている店員、そして呆れたように額に手を当てている琴。




「……やはり、華奢なほうが似合っている」



右手の薬指に若サマによってはめられたリングは、どちらかというと指輪のような輝きを放っていた。



「………………………………え、これ似合う似合わないで選ぶやつなんですか?!」

「今更かよこの天然箱入りバカ!!!!!!」