「……える、どうした?」
「……いえ。おふたりから教えてもらった〝第二の性ハーフ〟って、やっぱりそれなりに取り沙汰されているんだな、と思いまして」
「……まあ、ある程度希少な存在であることは確かだな。オメガと同程度には」
アルファ、オメガ、ベータ。
第二の性とは主にこの3つを指す。これはいま現在から歴史を遡っても変わることのない普遍の事実。
けれど、近年そこに新たな第二の性とも呼べるものが誕生した。
少々安直ではあるけれど、通称第二の性ハーフ、と呼ばれる人々だ。
その名の通り、第二の性のハーフ、謂わば第二の性の転換が起こる人物のことを言う。簡単に言うと、第二の性をふたつ保持している、が最もわかりやすい謳い文句だろう。
ベータの性だった人がアルファに。又は、ベータがオメガに。もちろんその反対だって起きるし、アルファも例外ではない。
それに、中には一時的な転換ではなく、転換ののち、一生涯そのまま戻らない人もいるらしい。
そんな人たちはまだ発見されて年数が経っておらず稀で、100万人に1人いるかいないかのレベルだとされている。
そして、その人たちに関してかなり黒い噂が出回っているため第二の性ハーフの人は表立って言い出せない現状にあるので、その信憑性もまた薄い。
言い方を変えるとするならば、ほぼオメガと境遇を同じくしている唯一の存在、とも言えるのだ。



