この場のノリにどうもついていけず、詰まりながら挨拶すると、またもや相模さんが青年、もとい七宮さんの頭を引っ叩いた。
「挨拶はそっちじゃねえ!初対面の人にははじめましてだろうがッッ!!」
「こんばんはもはじめましてもほとんど誤差っすよね?!」
軽快すぎるほど目まぐるしい会話のテンポ。
若サマと琴だったら、こんな風には絶対ならないからか、思わず圧倒されてしまった。
「か、会長。えるさんが引いてます」
「……ハッ!!ま、誠に申し訳ない!!」
「い、いえ。あの、ほんと、お気になさらず……」
七宮さんの存在も知っていた。見た目と同じように、わたしより歳がひとつ上なことも。
けれど、まさか祐庵会のトップの空気がこんなに和やかなものだとは露ほども想定しておらず、なんだか出鼻をくじかれた気分だった。
「お前、今日は外回りの仕事与えてただろ?!それはどうしたんだよ!」
「ソッコーで終わらせました!」
「……テキトウにしてたら承知しねえからな」
「ひえっ」



