うそつきな唇に、キス





まるで昨日見た漫才番組のようなことが目の前で起こるとは思わず、目をぱちくりさせてしまう。



「急に何するんすか!!オレの頭がこれ以上悪くなったらどう責任取ってくれるつもり?!」

「それよりご挨拶だバカッッッ!!!!」



明るい髪色の青年が小さく悲鳴をあげるも、それを無視して頭を鷲掴み、無理やり頭を下げさせた。



「すみません、俺の教育が行き届いておらずこのご無礼、どう許しを願えばいいか……」

「いえ。お気になさらないでください。それより、そちらの方は……」

「ご存知かと思いますが、コイツは今現在、この会の若長の席を与えている七宮(ななみや)です」




そして、当の七宮くんはというと、頭上にハテナを浮かべているような、理解できていない顔をしていた。



「え、と……?あの、このめっちゃ綺麗なひと、誰っすか?新人……??」

「バッカ野郎!!この方は東歌組若頭さまの新しい側近だ!わかったら挨拶!!」

「あ、こ、こんばんは!!」

「えと、こんばん、は……?」