「まだ、朝比奈さんのこと好き?」


「え・・・」


一気に元気がなくなったように感じる一ノ瀬くん。


そうだよね。一ノ瀬くんが私のこと好きでいてくれてるなら、私があれだけ忘れられないって言ってた相手だもん、気になるよね・・・。


「会いたいって思ってる?このあと、電話折り返すの?・・・・・・って、ごめん。あーー俺クソだせー」


そう言って、一ノ瀬くんはクシャッと自分の前髪を掴んだ。


「・・・正直、今も好きかどうか、はっきりわからなくて。・・・だから、一回直接会って、話したいとは思ってる。私も自分の気持ちをはっきりさせたいから」


本当に今の正直な気持ちだった。


あれだけ好きだと思っていたのに、いざりっくんを目の前にして、思っていたより感情が動かなかったことに自分でもちょっと驚いている。


それが、会ったのが一瞬だけだったからなのかは分からないし、だからこそ、一回ちゃんと会って話してみたいと思った。


このまま一ノ瀬くんに対して曖昧にしているのも良くないし。