―もっと、刺激的な恋を。―

雨の日は嫌いだ。 雨の日は、決まって嫌なことが起こる。 ほら、今日も。 『そろそろ笑顔、キツくなってきたんでしょ』 大泣きだ。 コイツなんかの前で───。

「羽瀬くんって、いつも女の子にこういうことするの？」 「川名さんにしかしないよ」 「な、なんで？」 「可愛いから」 ・ ・ 誘惑しないで、羽瀬くん。

いつも駅にいる彼はどこか儚げで不思議な雰囲気を持つ人だった。 私はそんな彼のことを話しにくい人だと思っていた。だけどある日突然そんな考えは変わった。 ーー駅で待つ彼はーー

───俺が慰めてあげようか。 その一言で、私たちの不可解なカンケイは はじまった。 ✳︎ 10代目霜華派皇帝 天馬 伊吹 ✕ ヤクザの娘 不知火 愛花 ✳︎ 俺みたいな男を好きになるなんて、 愛花はイケナイ娘だね。 その藍色は、いつも哀しさで沈んでいる。 恋に敵わなかった者たちの、慰め合いの時間。 「俺しか見れないようにしてあげる」 「いいね、それ名案」 . . 今夜も禁忌の愛に溺れて 寂しさを紛らわすためだけの、秘密の逢瀬が始まる

隣のクラスの七瀬くん。 サラサラのブラウンヘアに 控えめで整った上品な顔立ち。 気だるげな雰囲気をまとっているからか、 校内では“白馬のアンニュイプリンス”と呼ばれているらしい。 しかし、私は知っている。 彼は雨の日だけ図書室を訪れ、 全く本を読まずに過ごしているということを。 そして──。 「虹色の雲を探しているんです」 「ぜひ、俺と一緒に探しましょう！」 「…………は？」 王子様の皮を被った 強火オタクのファンタジーボーイだってことを。 ╎╎╎╎╎ ╎╎╎╎╎ ╎╎╎╎╎ ☂　☂ 放課後、時間の許す限りまで。 ただひたすら空を観察するだけのおかしな関係。 最初は馬鹿馬鹿しいと思ってた。 見つかったとしても願いが叶う保証なんてないのに。 だけど──。 「……それ、俺への告白？」 「自惚れるな、迷信男」 君となら、また空を眺めてもいいかなと思った。 執筆期間　2024/05/26〜2024/05/31 完結公開　2024/05/31

目で追ってしまうって、 それってさ、 もう、好きなんじゃないの？ 恋　ren 真っ直ぐでピュアな女の子 × 善　zen 愛を知らない遊び人 2024.05.21 完結♡公開