はやく俺のこと好きになってよ、先輩。




いつのまにか、映画も終盤に差し掛かっていた。


やべ、全然内容入ってねー。



チラッと隣の先輩を盗み見ると、先輩は真っ直ぐに画面を見つめていた。



集中して観れてんのかな。


先輩の頭ん中、今、誰がいんの?


何考えてる?




あーー、ダメだ。全然余裕ねーな俺。



この後、どうする。


せっかくデートしてんだから、先輩を楽しませることだけ考えねーと。



結局俺は、最後まで映画に集中できなかった。