きみのチョコに毒混ぜた






「はい、小林くん。チョコ」



2月14日。朝の廊下でいちばん最初にチョコをあげたのは、小林くんだった。



「え、まじで!?嬉しい!」


喜んでくれる彼に、続ける。


「友達として、のチョコです」

「……やっぱり俺じゃダメなの?」


「ごめん、気持ちは嬉しかった。ありがとう」



少し目を逸らした小林くんが、視線を彷徨わせて、またこちらを見る。




「それって、瀬川ー……」




そこまで言いかけて、止まった言葉。

私の後ろを見ているような気がして、つられるように振り返る。



「……おはよ、ちー」



そこにいたのは、なんだか不機嫌な洸。


寒そうにマフラーに顔を埋めて、ポケットに手を突っ込んで、私を見下ろす。