「じゃあチョコケーキにしようかな。私得意なんだよね〜」
にこにこしながら洸の腕に触れる女の子は。私より可愛いし、私より素直だし、私より勇気がある。
『もーすぐバレンタインじゃん。今年はチョコケーキがいい』
昨日の洸の言葉を思い出して、吐きそうなくらい苦しくなった。
「……ごめん私、財布忘れたから取ってくる」
「え、私貸すよ?」
「ううん、大丈夫。先買ってて!」
泣きそうな顔を見られないように、走って購買を離れる。こんなことで泣きそうになるなんて、なんて不安定なんだ。それもこれも全部、きみのせいだ。



