「はい、毒入りチョコ」 そう言って赤いハートのボックスに入ったチョコレートを渡せば、きみは面食らったような顔をした。 「……毒?」 そう、毒。 もしも私のチョコ食べてきみが死んだら、きみが最後に食べたものは私の愛ってことになる。 きみが最後に瞳に映した景色は、わらってる私の顔ってことになる。 それもそれでいいなって、毒みたいに歪んだ気持ちがいっぱい入った、甘いあまいチョコレート。