「わかったわかった。ミユは、昔から言いだしたらきかないからな。ただし、後悔することになっても知らないぞ。そうとなれば、ひよっこのおまえ一人で暴けるわけがない。調査を手伝おうではないか」
「ボス、ほんとうに? 最高よ。ボスって、わたしの王子様ね」

 心の底からうれしい。感動しまくっている。それどころか、ボスの好意に涙が出そうになっている。

 そんなやわな感情を隠す為、彼を揶揄うようなことを言ってしまった。

「ボス。でも、調査料を払えないわ。公爵から金貨を手渡されているわけではないから」
「ミユ、心配するな。ボスは太っ腹だ。無料でやってくれる」
「そうそう。どれだけ手間と時間がかかろうとも、いっさい無料で引き受けてくれる」

 わたしの心配に応じたのは、エドモンド兄弟である。