公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

「ブレントン様……」

 嫉妬に狂いそうだなんて、まるで小説の中の情熱的なプレイボーイの台詞だわ。

 こんなわたしにそんな台詞が投げつけられるなんて、ちょっと前まで想像もしなかった。

 姉はとんでもない人だったけれど、彼と結び付けてくれたことだけは感謝すべきよね。

 ハッとすると、ブレントンがすぐ前に立っていた。