「ミユ、大丈夫か? ケガはないか? ああ、すまない。遅くなったばかりに……」

 頭上から、言葉がいくつか落ちてきた。それらには、ほんとうに心配してくれている感が濃く刻まれている。

 見上げると、銀仮面がこちらを見おろしている。

「こ、公爵閣下?」

 公爵に抱きとめられていた。

 やさしく、だけど激しく。

「だ、大丈夫です。なんともありません」

 彼がどうしてここにいるの?

 とりあえずその疑問は置いておくとして、彼の質問に答えた。