「ゆ、結多(ゆいた)くん。あのね…?」


『なーに。あ、もしかして寂しくなった?俺に会いたくなった?わかる、もういっそのことこのみちゃんの部屋のベッド下にでも住み着こうかなって真面目に考えたことが実は何回かあります。
やばくね?やべーよね、でもわりと本気』


「………」



1を話すと100になって返ってくるのが、私の彼氏である結多くんの特徴だ。

お喋りが好きなんだろうなあって思う部分と、どうしてそんなにいろんなことが思い浮かぶんだろうって不思議な部分。


けれど最近の結多くんは、今もスマホ越しで伝わるくらいにどこかソワソワしていた。



『あ、やべえ引いた?』


「…ううん、ちょっとびっくりはしたけど…」


『まじ?その程度で済む?ならもっとヤバい俺の脳内を展開しようか。このみちゃんが好きすぎて妄想が膨らみまくって毎夜───』


「わっ、もう!大丈夫だから…!黙って結多くん…!!」


『ごめんなさい黙ります』